メーカーは自らの製品に責任を持たなければならない。 販売された製品に不具合が判明した時、責任ある対応が求められるはずである。
しかし、ある製品の欠陥を巡って 私がホンダに見たものは、モラルと良識の全くの欠如であった。
製品に設計上のミスがあり、それによってユーザーが被害を受けている、このような状況でホンダが示した対応は、欠陥を隠し対策も取らないことであった。 放置すれば被害が拡大することは明白、それが分かった上での放置であった。
欠陥商品で利益を上げ 客の被害には知らぬ顔を通す、これが、車を買ってくれた人に対する ホンダの対応であった。
この問題、そもそもは、私がホンダ車を購入したことに始まる。 バッテリーが上がり易いので調べていくと、ホンダ純正の装置に設計ミスが見付かった。 設計段階で絶縁対策が忘れられ、その装置は常に作働状態、車を使わない時も電気が流れ放しであった。
明白なミスであり、ホンダも認めないわけにはいかなかった。 この時すでに、一年以上前から数千個(ホンダによれば1801個)の欠陥品がユーザーに渡っていた。
ホンダは修理対策を取る旨言明していたが、後に、放置されていることが判明。 私が抗議すると、担当者がやって来て延々と嘘、屁理屈を並べ立てた。
担当者では埒があかないので、社長宛に手紙を書いた。 すると、相談部所長等がやって来て、「欠陥などなく、修理対策を取る意思もない」と居直った。 「本社のサービス会議の決定であり、抗議しても無駄、これ以上話し合いに応じない」旨を告げられた。
しかし、その9ヶ月後、ある雑誌社がこの問題を取り上げたことによって事態は急転する。

月刊誌に記事が載るや、ホンダは 「設計ミスの製品に対して改善対策を取る」と表明。 運輸省(国土交通省)に報告を上げ、市場措置を取る旨を伝えた。 問題が公になってホンダは豹変、その表裏の差は大きかった。
しかし、話はこれで終わらなかった。 数年して、実際には改善対策が取られていないことを知った。 ホンダによれば、製品の不具合について 販売店に情報を流す以上のことはしていないとのことであった。 (もっとも、これも嘘であることが後に判明。設計ミスの事実は販売店に伝えられていなかった。)
自動車製造物責任相談センターに相談すると、この問題をインターネットで公開するように勧められた。 しかし、告発のようなことには躊躇があり、何もしないまま4年も過ぎてしまった。
しかし、企業の不正に対して言うべきことは言っておきたいという思いが増さり、ホームページを作ることにした。